オクタヴィアヌス(ガイウス=ユリウス=カエサル=)

  Octavianus ( Gaius Julius Caesar )(ラテン語)

 …「八番目の男子」(「よい気分、満足」「ユピテル<「父なるゼウス(「輝く神」)」>

  の子孫」または「産毛のように柔らかい」「象」)。

  cf. ラテン語人名オクタヴィウス Octavius 「八番目の男子」から派生した家名。オク

  タヴィウスは、ローマ人の命名法で、5人目の子どもにクイントゥス「五郎」、6人

  目はセクストゥス「六郎」、7人目はセッティムス「七郎」、10人目はデキウス「十

  郎」などとしたことに由来。元老院から贈られた称号アウグストゥスを「8月」とし

  たのも、自分の名前の意味が「八郎」だったからか?

   カエサル暗殺後、明らかにされた遺言にもとづき養子になったため、本来の名前(ガ

  イウス=オクタヴィウス=トゥリヌス Gaius Octavius Thurinus )から改名。

   名前の最初のガイウス Gaius は個人名に当たり、「よい気分、満足」。

   氏族名のユリウスは、古いラテン語 Jovilios 「ユピテルの子孫」の短縮形であると

  される。ラテン語のユピテル Jupiter は、ギリシア語の Zeu pater 「父なるゼウス」

  が語源。 Zeus は「輝く神」(インド=ヨーロッパ祖語 deiw 「輝く」を経た deiwos

  「神」から)。または「産毛のように柔らかい」を意味するラテン語から。

   カエサルは、ポエニ戦争でユリウス一門の一人がカルタゴ相手に善戦し、その

  戦功からカルタゴの言葉で象を意味する「カエサル」(フェニキア語 carsai)とあだ

  名され、それが家名になったとされる。別説には、古いエトルリア語のカエサリエス

   caesaries 「髪の毛ふさふさした」(これだと、スエトニウス著『皇帝伝』中のあだ名

  「禿の女ったらし」に込められた含みが分かる)やラテン語のカルド cardo 「切る」

  がある。英単語のシーザー。ドイツ語のカイゼル、カイザー。ロシア語のツァーリ。フ

  ランス語のセザール。